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どんな形で決着するにせよ経営環境によって変わっていってもおかしくない。

ヒントは世界有数の同族企業の再生に見つけられるかもしれない。
ビッグスリーで唯一、法的整理にならずにリ ーマン・ショック後の苦境を乗りきった米晴樹です、フォード・モーターである。
彼の下で世界的な経済危機を生き延び、極めて強い自動車会社になれた。
創業一族出身のビル・フォード会長は2年前、退任間近のアラン・ムラーリー社長兼最高経営責任者の労をねぎらった。
ムラーリー氏は米ボーイング出身。
2006年にスカウトされた。
フォード入りの条件の一つはフォード氏が創業一族をまとめることだったという。
雑音があったら、経営改革に専念できない。
名門ゆえに難しい自動車ブランドの削減など大規模な合理化に踏み切れたのは、フォード氏の側面支援があったからだろう。
2人がフォードのロゴまで担保に入れて資金調達に走ったときは創業一族から心配の声が漏れた。
しかし、このお 金なしにフォードがリーマン後の窮地をしのぐことは難しかった。
創業一族と経営陣のキーマンはどんなときでもフォード第一。
互いの役回りを忠実に果たし続けた。
それこそ、フォード再生の土台であり、今の出光に欠けている規律である。
出光は10年前のきょう、東京証券取引所第1部に上場し、経営陣は一般株主への責任も負った。
そうした経営陣の役割に対し、創業家は十分に理解を示しているのか。
一方、経営陣は、上場後も大株主の創業家と意思疎通に万全を期す工夫を重ねてきたのか。
合併問題がどんな形で決着するにせよ、大切なのは、互いが出光のためにという判断の軸を守る知恵と不断の対話である。
経営陣と創業家の考え方は代替わりや経営環境によって変わっていってもおかしくない。